熱中症と対策グッズ|千代田区の犬と猫の内科の病院「まつき動物病院」

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熱中症と対策グッズ

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こんにちは。動物看護師の小泉です。
暦では立秋を迎えながらも30℃を超える夏の暑さがまだまだ続いております。皆さま体調は崩されていませんか?
ニュースでも毎日のように熱中症に関する話題が取り上げられていますね。
人も十分に気をつけなければなりませんが、わんちゃんを飼われてる飼い主さんは、散歩の時間を涼しい時間帯にずらしたり、お散歩中のこまめな休憩や水分補給を気にされているかと思います。
もちろん猫ちゃんも室内にいるとはいえ、熱中症は無関係ではありません。
熱中症と聞くと暑い環境の中で汗をかき、眩暈を起こし、パターンと急に倒れてしまうイメージがありませんか?
動物病院でも「熱中症かも!」と急患でいらっしゃる時は、すでに動物の身体に力が入らず、意識も朦朧で生命の危険が危ない場面が多々あります。
実はこの状態、ステージ3度という一番重症度の高い状態に当てはまります。
獣医療の熱中症の重症度分類は以下の3段階に分かれています。
(※ 動物と人の分類は異なります)
【ステージ1度】熱失神・熱けいれん:不快感、疲労感、筋けいれん(体温は正常)
【ステージ2度】熱疲労:吐き気、嘔吐、運動失調、ふらつき、脱力(体温40℃)
【ステージ3度】熱射病:高体温、中枢神経障害、循環不全に伴う臓器障害(体温41℃)
上記の【ステージ1度】の症状で「熱中症かしら?」と疑われる方は少ないと思います。
吐き気・嘔吐やふらつきなどの症状が現れ「熱中症かもしれない!」と疑った時の動物の体温は40℃近くに上がっている可能性が高いです。
わんちゃん、猫ちゃんの身体の仕組みが大きく変わる体温は41.3℃とされております。
41.3℃くらいの体温になると、消化管障害や不可逆性の脳障害が起こります。
死亡率は格段に上がり25〜50%と言われています。
「何かいつもと様子が違う」「少し元気がない」こんな様子の時は動物病院に行くか悩みますよね。
そんなときは、ご自宅での体温測定も有効かと思います。
わんちゃん、猫ちゃんの体温は動物病院で測っているのをご覧になってご存知かと思いますが、体温計の先端を肛門に入れて直腸で測ります。
急を要し人用の体温計を兼用する場合はラップなどを巻き衛生管理をされると良いですよ(何重にも巻くと体温計と直腸が誤差が出てしまうのでご注意ください)。
動物用の体温計は人用と比べると先が柔らかく、曲がるようになってますので肛門や直腸に傷を付ける心配を軽減できます。
急な備えとしてご自宅に動物用の体温計を一本ご用意しておくと安心かもしれません。
一般的な体温は、
小型犬:38.0〜39.0℃
大型犬:37.5〜38.5℃
猫:38℃台
とされています。これはあくまでも正常の時の平均値ですので一度ご自身のわんちゃん・猫ちゃんの平熱を測っておくと良いと思います。
動物病院で受診された健康診断の結果で平熱を確認されるのも良いと思います。
さて、わんちゃん・猫ちゃんが熱中症かもしれないと思った場合は、まずはペットを涼しい環境下に移動させて水など飲ませて呼吸が落ち着くまで休ませてください。
可能であれば体温を測定して、平熱より体温が高かった場合は、まず体温を下げてみましょう。
体温を下げる方法はいくつかありますのでご紹介します。
●常温水で水浴(冷水で水浴をすると逆に抹消血管が収縮し、熱の放散がうまくいかなくなります)
●脇の下・内股など、太い動脈が走っている場所をアイスパックなどで冷やす
●エアコンの温度を下げて、室内環境の温度を下げる
●水で濡らし、冷やしたタオルを身体にかける(すぐに温まるので、こまめに取り替える)
●扇風機の風を当てる
この時に気をつけて頂きたいことは、処置を行っている間はこまめに体温を測定し、体温を下げすぎないことが重要です。
これらの処置を施しても元気が戻らない場合や、意識が朦朧としていたり、身体の脱力などが観られた場合は、すぐにかかりつけの動物病院での受診が必要です。
その際は必ず動物病院にあらかじめ電話をして頂けると助かります。
というのも、動物病院へ向かうまでの間に飼い主様ができることをお伝えできますし、病院では点滴や気管挿管の準備ができて来院時にすぐ処置に入れます。
ここで私の失敗談をお話しますと。。。
先月、朝6時に愛犬のお散歩に出かけました。
日差しは強くなく、気温は27度、アスファルトも熱くなっていなかったので大丈夫だろうと30分程度お散歩をし、その前後に愛犬の体温を測ってみました。
散歩前:37.9度
散歩後:39.5度
お散歩後の体温は平熱と比べると高体温になっていました。。。
お散歩後の愛犬の様子は、パンティングに激しさはなく、しっぽを振り元気に振る舞い、朝食もペロッと完食していました。
愛犬の様子は平常通りだったのでお散歩後の体温の上昇に私自身がすごく驚きました。
基礎疾患があったり、高齢であったりしたならば、熱中症になっていてもおかしくないので愛犬の体温を上げてしまったことに猛反省です。。。
最後に熱中症対策のおすすめのグッズは、
★体温計(人用と動物用)
★携帯型扇風機
★瞬間保冷剤
瞬間保冷剤は使い捨てですが、冷凍庫に入れておかなくても握るだけですぐに冷たくなる優れものです!
薬局で売ってますので、ぜひ試してみてください(^-^)