日本では、中年〜高齢(一般に8歳以上)の猫ちゃんの3〜5%程度が甲状腺機能亢進症にかかります。
片側の甲状腺が良性(まれに悪性)の腫瘍になることで、甲状腺からホルモンが出すぎるようになり、痩せてきた(体重減少)、食欲が無いか有りすぎる、元気が無いか有りすぎる、嘔吐、下痢、落ち着きがない、ひんやりした場所を好む、パンティング、などの症状が出ます。
猫の甲状腺機能亢進症を診断するためには、血液中の甲状腺ホルモンを測定し、多すぎることを確認します。
また、左右どちらかの甲状腺が大きくなっていることを、触診と超音波検査で確かめます。
猫ちゃんの甲状腺を触診するときは写真のように、猫ちゃんにまっすぐ上を向いてもらい、首を優しくていねいに触ります。
猫の甲状腺は健康であればヒマワリの種ぐらいのサイズしかないので、とても触りにくいです。
飼い主様には、触診がしつこいと感じられる場合があるかもしれませんが、正確な診断と治療のために必要なことですので、なにとぞご容赦ください。
(院長 松木)